我が家の庭の芝を整理したときの連想。

初めて、芝生の庭を持つことを決めた時、芝刈りは簡単なものだと安易に考えていた。芝刈り機で一気に草を刈り込めば、庭はたちまち様変わりする。まるで美容師が坊主にするように、楽勝だろうと。しかし現実は……

実際にやってみると、庭のフェンスや植木の近くなど、芝刈り機が届かない場所があることに気づいた。これらのわずかな「死角」をきれいにするのは、思っていた以上に手間がかかる。ハサミなどの道具を使って、蚊や虫と戦いながら、少しずつ丁寧に作業を進めなければならない。

garden

全体の1%にも満たないこれらの死角を仕上げる作業は、芝刈り全体の99%の労力を要する。しかも、その労力に見合うだけの成果は、なかなか目に見えにくく、評価されにくい。

もし、自ら芝刈りを経験したことがなければ、美しい芝生を見て、その隅々まで丁寧に手入れされたことに気づく人は少ないだろう。そして、その芝生のために流された汗の労力を、最大限に評価できるだろうか。

確かに、隅の雑草を刈り残せば、全体の印象は悪くなるだろう。しかし、その99%の労力と情熱をかけた部分に対する評価は、果たして十分に得られるだろうか。

そう考えると、少しやるせない気持ちになる。