SNSが中国人の国外旅行方法を変えた
香港の南華早報サイトの9月8日付の報道によると、独デュッセルドルフでは、今年1―5月の中国からの観光客が延べ1.5万人超、前年同期比38%増だった。デュッセルドルフにはおとぎ話に出てくるようなお城や歴史的な旧市街があるが、小紅書など中国SNSが推薦する油条(中国式揚げパン)などの中国料理をここで探し求める観光客も多い。
デュッセルドルフ市のプロモーション担当者によると、小紅書の「インフルエンサー」が8月にここで生配信するほど、デュッセルドルフは人気になっているという。
上記状況は、小紅書やTikTokのような中国SNSが、人々の海外旅行のあり方に影響を与え、これらは、人々が望む美食、高級ホテル、人気観光スポットを発見するよう導いている。
このトレンドは、ある場所が迅速かつ予想外に人気となることにつながると同時に、観光客が団体旅行に参加することなく個人で外国を旅行することを可能にしている。
ビジネスコンサルタント会社の龍途国際の市場調査アナリストは、「旅行における小紅書の重要性は高まりつつあり、これは近年の中国の消費者行動における大きな変化の一つである」と述べている。
龍途国際が4月に実施した中国人旅行者を対象とした調査では、回答者の52%が小紅書を、43%がTikTokを、37%がCtripを利用していると答え、多くの人が複数のプラットフォームを利用しているとのことであった。
龍途国際によると、昨年からTikTokでの旅行関連コンテンツの検索量が大幅に増加し、旅行の「オピニオンリーダー」の数も「顕著に」増加したという。
中国のラグジュアリー業界に特化した大手デジタルメディアJing Dailyは昨年、一部のSNSでのアドバイスが余りに具体的だったため、中国人観光客がパリのホテルで最高の景観を求めて同じ部屋を予約することがしばしばあり、ホテルスタッフを困惑させる現象が起きていると報じた。
龍途国際の調査によると、観光客が旅行先を選ぶ際に、動画を見ることが最も興味を引き出せるのだという。
〔参考消息網2024年9月10日〕